脱毛にかかった費用は医療費控除の対象になるか、気になっている方は多いですよね。
例えばレーザー脱毛などは医療機関であるクリニックに通うことになるため、医療控除を受けられるのでは、と考える方もいるでしょう。
しかし結論から言うと、サロンの光脱毛はもちろん、クリニックの医療レーザー脱毛も原則として医療費控除の対象にはなりません。
このページでは、脱毛の費用が基本的に医療費控除の対象とならない理由を解説していきます。
またページの後半では、例外的に医療費控除を受けられる脱毛についても紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
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目次
脱毛は医療費控除の対象には原則ならない
最初に結論として説明したとおり、原則として脱毛は医療費控除の対象になりません。
Q 医療控除の対象となりますか?
A 医療レーザー脱毛は自由診療のためなりません。
(メンズリゼのQ&Aより引用)
ですが脱毛が医療費控除とならない根本的な理由は、自由・自費診療とは別のところにあります。
より詳しい理由については次から見ていきましょう。
「容貌を美化する」のが目的なので控除対象から外れる
脱毛の費用が医療費控除の対象にならない理由ですが、簡単に言うと脱毛は容貌を美化するものであり、治療行為に当てはまらないからです。
医療費控除の対象となるのは、医師などによる治療・医薬品の費用・その他関連する費用のみです。
医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。
(所得税法第73条2項より一部引用)
腕や足のムダ毛を脱毛しなければ日常生活が送れない、ということはないですよね。
なお脱毛クリニックの宣伝文句として「医療〇〇脱毛!」など医療というキーワードが使われていることもありますが、医療費控除が受けられるかどうかとは無関係であるため、注意してください。
脱毛料金を経費に申請するのも原則不可能
脱毛にかかる費用は医療費控除の対象にならないことは説明したとおりですが、サラリーマンや個人事業主が業務に必要な経費として申請するのは可能なのでしょうか。
結論から言うと、こちらもほぼ不可能です。
なぜなら多くの業務と脱毛は基本的には無関係であり、プライベートな出費として判断されるからです。
モデルや芸能人なら経費申請できる可能性あり
脱毛にかかる費用は基本的に経費として申請できないことは解説したとおりですが、例外として肌を露出させることが多いモデルやタレント・脱毛に関する動画を投稿しているYouTuberなどであれば、業務と脱毛に強い関連性が認められるため経費として申請できます。
他にも水商売など見た目が業務の上で重要になる職種であれば、経費になる可能性が大きいでしょう。
ただし「経費で落とせると思って高いコースを契約してしまった!」などといった事態が起きないように、あらかじめ会社や税理士などに相談しておくことをおすすめします。
脱毛効果は継続的だからこそ経費申請が難しい?
脱毛の費用を経費として申請しづらい理由としては、プライベートと業務を明確に分けられない、という点も挙げられます。
例えば医療クリニックでレーザー脱毛を受けると、施術後数年間はツルツルの肌をキープできるため、仕事だけではなくプライベートにも大きな影響を与えます。
経費として申請できるのは業務に強い関連があるものだけですから、脱毛はなおのこと経費としては許可されづらいのです。
似たような例としてはタレントの板東英二さんがカツラと植毛の費用を経費として申告したところ、カツラは認められたが植毛は経費として認められなかった、という話があります。
つまりカツラは着脱が可能で「仕事用(のカツラ)」として区分しやすいのに対し、植毛はプライベートにも関連する費用であり、効果が持続するという点でも経費として認められないのです。
脱毛を医療費控除できる可能性があるケース
ここまで脱毛の費用が原則医療費控除や経費の対象にならないことを解説してきましたが、治療費目的で脱毛したのであれば、医療費控除が受けられる可能性があります。詳しくは次から見ていきましょう。
何らかの治療目的で脱毛したと認められる
脱毛の費用が医療費控除の対象になるケースとは、医師が治療するために脱毛が必要になると認めた場合です。
一例としては皮膚病を治療するためには永続的に毛を除去する必要があるとし、脱毛費用の医療費控除が認められたケースが挙げられます。
ただし皮膚病であれば必ず脱毛の費用が医療費控除が認められるわけではなく、あくまでも医師が脱毛が妥当であると判断した場合に限るため、注意しましょう。
多毛症の治療
医療費控除の対象になりやすいケースとしては、多毛症の治療も挙げられます。
多毛症とは男性ホルモンの過剰分泌や遺伝などが原因で大量に毛が生えてしまう病気のことを指し、脱毛自体が治療行為に当てはまります。
また多汗症やワキガなども治療の一環として、脱毛が必要になるケースもあるでしょう。
ただし同じ病気でも脱毛が必要になるかどうかは患者の肌状況や医師の判断にもよるため、脱毛の費用で医療費控除を受ける際には、しっかりと担当医に確認しておくことをおすすめします。
また国税庁のホームページに掲載されている「タックスアンサー(よくある質問)」では、医療費控除についての細かいルールが記載されているため、不安な方はそちらもチェックすると良いでしょう。
医療費控除に関するポイント
ここまで脱毛の費用が医療費控除や経費になりづらいこと・脱毛の費用で医療費控除を受けられる例外的なケースなどを見てきました。
もしも脱毛の費用で医療費控除を受けたい、と考えているのであれば、以下から紹介するポイントを押さえておきましょう。
詳しくは次から見ていきましょう。
保険診療か自費診療かは関係ない
脱毛の費用で医療費控除を受ける際に抑えておきたいポイントとしては、保険診療か自費診療かは関係がない、という点です。
保険診療とは厚生労働省の登録を受けた医師が規定の治療をおこなうことで、医療費控除が受けられるかどうかは別の問題になります。
特に脱毛は保健が適用されず混同しやすいので注意しましょう。
なお脱毛の費用自体に保健は適用されませんが、脱毛の施術を受けたことで火傷・炎症が起きた場合の治療は保険が適用されることは抑えておきたいポイントです。
医療費控除できるかどうかは相対的な部分も大きい
ここまで脱毛の費用は医療費控除になりづらい、とあいまいな表現で解説してきましたが、医療費控除が受けられる・受けられないと断定できないのは相対的な部分も大きいためです。
例えば脱毛が医療行為にあたるかどうかは、患者の肌の状態や医師の判断にもよりますし最終的にに経費や控除として認められるかは、税理士や税務署によるチェックを待つ必要があります。
そのため、脱毛の費用は基本的に医療費控除・経費にならないと考えておくことをおすすめします。